女性スケーターでは、皆様、よく御存じの、浅田真央さんや、安藤美姫さん…
男性スケーターも、素晴らしい素質を御持ちの方々が沢山いらっしゃいますね。
残念な事に、フィギュアスケート男子のエース高橋大輔選手は痛めた右ひざの手術、治療専念のため今季の大会をすべて欠場することになったそうですが…
15日の、ＧＰシリーズ第４戦のフランス杯では、第１戦のスケートアメリカに続く優勝を狙った若手のホープ小塚崇彦さんが、自由の演技で、ＳＰに続き自由でも２位となり、合計２３０．７８点で２位になり、ＧＰファイナル初進出を決めたニュースを拝見いたしましても、頼もしい、選手の方々の素晴らしい演技に、眼が釘付けで御座います。

素晴らしい、技術と感性を備えた逸材が厚く層を成す日本のフィギュアスケート界…。
きっと、今、現在、御立派に活躍をされている、選手の皆様をテレビなどで御覧になって…小さなお子様も、素敵な憧れを持ち…
『あんなに、素敵な、お姉さんや､お兄さんの様に、綺麗な御衣装を着て、音楽に乗っとて、独楽の様に、くるくると回ったり､ジャンプしたりして､素敵に､格好良く､滑って、踊ってみたいなぁ…』
と、練習をお始めになるのかと思います。
簡単に見えるようでも、ひとつのステップ、ひとつのジャンプを覚え、自分のものにしていくには、並大抵の努力ではないはずで御座います。
きっと、正に、血を吐く様な努力や、それに付随する怪我との戦い、過度の期待や、精神的な重圧…。
華やかに、氷上で舞っている姿とは、かけ離れた【現実】があるのだと推察いたします。
とかく､ジャンプなどの､派手な技術に眼が奪われがちで御座いますが…
【基本に忠実】に再現される【演技】は､実は､大変に､難しいものなのです。
わたくしたちが､見ていると､ステップなど､さもなく､いとも簡単に､こなしてしまっている様にしか見えません｡
また､さも【簡単だよ｡】としか見えないように､さらりっ…と､見せてしまえるのは､きちんと【基本】が､土台として出来あがっている為に他ありません｡
大変なことも…大変なことに見えない様な技術を作り上げること…｡
わたくしたちの､日常の御仕事も､そんなところが､御座いますね｡
きちんとした下地が出来ていて､御仕事も､滞りなく無事に進んでいく…｡
しかし､実際には､その【下地】の部分を作り上げていくのが､いかに大変で､重要か…と言うことなのです｡
ただ…出来あがった仕事を受け取る､上司や､相手先様は､【出来あがった､完成されたもの】を､眼にするだけですから､その苦労や大変さを､知る由も御座いませんが…｡(苦労)
下地を作り…【完成形】に…そこに行き着くまでのプロセスが､本当に大変な事なのですけれど｡(苦笑)

さて…話しをスケートに戻しますが…(笑)
ゆえに､派手さがなくても、【基本】を､しっかりと学び､練習された方の演技と言うのは､結局､技術が優れておりますから､不思議と心に深く印象付くものとなるのではないでしょうか。
洗練された美しさの土台にあるものは…人には見せられない様な､苦労と努力がある…
だからこそ､そこに､人の心を打つ【何か】を生み出せるのやも知れません｡

わたくしは…いまだに、忘れることの出来ない【氷上の演技】を思い出すので御座います。
それは…女性フィギュアスケーター…カタリーナ．ビット(カタリナ．ヴィット)さんの、１９９４年の、カルガリーオリンピックでの演技で御座います。

カタリナ・ヴィット（Katarina Witt, 1965年12月3日- ）は、旧東ドイツシュターケン出身の女性フィギュアスケート選手。1984年サラエボオリンピック、1988年カルガリーオリンピック女子シングル金メダリスト。女子シングルの選手としては歴史的に見ても最高の成績を収めた選手の一人である。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia）』)

彼女の演技は、何時、眼にいたしましたも、大変に、印象深く…心に残るものでした。
【演技】の勉強もされておられると、聞いておりましたから、本当に【氷上の女優】と、言っても過言ではなかったと思います。
優秀なスケーターの方は、ラヴェルの【ボレロ】…
そして、歌劇【カルメン】などの楽曲を使われることが、御座います。
彼女自身も、代名詞ともいわれた「カルメン」を舞い、観客を魅了してきました。

アマチュアから、プロへの転向があり…競技会からは、惜しまれつつ姿を消しましたが…。
プロの出場が1994年のリレハンメルオリンピックに2大会ぶりに解禁され、彼女が出場することになったのです。
わたくしは、オリンピックを楽しみにしておりました。
その時に、フリーの彼女が舞ったのが…
『花はどこへ行った』の曲に乗せ、サラエヴォへの思いを込めた演技でした。
丁度…サラエヴォはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争（ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで1992年から1995年まで続いた内戦)の、まっただ中にありました…。第二次世界大戦後のヨーロッパで最悪の紛争でありました。

結果は７位で御座いましたが…。
彼女のフリー演技は芸術性を高く評価された、素晴らしいものでした。
会場で観戦していた観客、そして世界中のテレビ観戦している人々の心に焼きついたものとして、スケートが、お好きな方のみならず、その、心を打つ演技は、現在でも語り継がれております。
彼女自身、旧東ドイツで生まれ…他の社会主義国同様に国家の威信をかけた強化策の中、国威の発揚(はつよう)の為、人権も人格も無視した選手育成と、組織的なドーピングが行なわれ、シュタージ(（Stasi）とは、東ドイツ (ドイツ民主共和国)の秘密警察・諜報機関である国家保安省（Ministerium für Staatssicherheit；Ministry for Statessecurity、略号：MfS）の通称)によるスポーツ関係者の監視や協力要員化が盛んに行われた時代の中での選手だったのです。
彼女の場合は､東西ドイツの【ベルリンの壁】崩壊後に､プロに転向したのです｡
きっと、彼女自身も、様々に辛い思いをし…
そして、実際に眼にし…国や政治に翻弄され、傷付いてきたことで御座いましょう。


≪楽曲の…【花はどこへ行った】について…。≫

「花はどこへ行った」（はなはどこへいった、原題 Where have all the flowers gone?）は、世界で一番有名な反戦歌とも言われるフォークの不朽の名曲である。アメリカンフォークの父とも形容されるピート・シーガーによる作詞作曲であり、シーガーの代表作でもある。

【歴史】
1955年、ピート・シーガーが制作。ロシアの作家、ミハイル・ショーロホフの「静かなドン」の最初のほうに出てくる、コサックの民謡にヒントを得たのだという。だが、この頃はまだ反戦歌としては歌われていなかった。
1962年、アメリカ合衆国がベトナム戦争真っ只中であった時期に、キングストン・トリオによって同曲はカヴァーされ、大ヒットとなった。また同年、ピーター・ポール&マリーによってもカヴァーされ、こちらも大ヒットとなり、この年(つまり初版の実に7年後)以降、同曲は反戦歌として広く親しまれるようになり、現在に至っている。

【歌詞の構成メッセージ】
「花はどこへ行った 少女がつんだ」→「少女はどこへ行った 男の下へ嫁に行った」→「男はどこへ行った 兵隊として戦場へ」→「兵隊はどこへ行った 死んで墓に行った」→「墓はどこへ行った 花で覆われた」と続き、再び冒頭の「花はどこへ行った 少女がつんだ」となる。
素朴な語彙・繰り返しと、意味の深さのコントラストが非常に印象的である。
また、最後には必ず「いつになったら わかるのだろう」という言葉でしめられているため、「戦争がいつまでも繰り返され、いつになったらその愚かさに気づくのか？」というメッセージ、今度こそもう戦争は絶対に止めようという思いを込めて盛んに歌われることとなった。
また、歌詞冒頭の「花はどこへ行った」というフレーズはそのまま題名にもなっているので、一度歌詞全体を知った者は、タイトルの「花はどこへ行った」を耳にするだけで、一方で、そのフレーズが元来持つはずの素朴で子供らしい意味を感じ、他方で連想によって歌詞全体が持つ深い悲しみを同時に感じることになり、二つの意味のあまりの落差に、めまいに似た感覚を感じることになる。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』)

フィギュアスケートの【演技】には…【言葉】はありません…。
だからこそ…この【曲】を通じ…彼女が、【何を言いたいのか…。】
彼女の身体から体現されるものは…何なのか…。
彼女は【何を伝える為に…】この場に立ったのか…。
オリンピックと言う最高の舞台で…
彼女は、国の威信や、個人の名誉、順列の評価、私心、…
その全てを超えたところで…氷の上に立っていたように…思います…。
わたくしは、深く…感じ、想いを馳せながら見るに至りました…。

ここに…１９９4年の、彼女の【花はどこへ行った】の演技(オリンピックの映像では御座いません。画質は悪いですが､個人的に､こちらの､演技の方が好きなので｡)と…

【 Katarina Witt Eiskunstlauf Europameisterschaft 1994 】

日本では、一番馴染みが深い、ピーター＆マリーがカヴァーした…【花はどこへ行った】。

【 花はどこへ行った ピーター・ポール＆マリー 】

そして…
Mr.Childrenのカヴァーしている…【花はどこへ行った】を載せさせて頂きます。
但し、こちらは原詞から大幅に意訳されており、反戦歌というよりは社会風刺曲へと変化しており、あまりにも本来の意味とかけ離れていることからカヴァーとして認められずお蔵入りとなった曲です。ファンの間では、最も有名な未発表曲だそうです。
この、ビデオクリップの画像が印象深かったので…
あえて、載せることといたしました…。

【 花はどこへ行った　Mr.Children 】

わたくしも…
多くは、語りません…。
この場所に行き着き…この記事を、読んで下さった方…曲を聞き…彼女の演技を見て下さった方の…
ひとりひとりが…
【何か】を感じて下さるのか…と言うことに…尽きるのかと思います。

≪キスアンドクライ≫…
演技を終えた選手とコーチが採点の発表を待つための場所。
【喜びと悲しみ】が､交錯する場所…｡
【喜びと悲しみ】を、感じ受け止める場所…。

世界中…
様々な【場所】で…【喜びと悲しみ】が…満ち溢れています…。

わたくしたち…ひとりひとりが…日々、生活をする最小限の単位の中でさえ…
人々は、日々…
その人、それぞれの戦いを、強いられているので御座います…。
そして、喜びと…悲しみが、交錯しているのです…。

ひとりひとりが…思い合い…感じ合い…
ひとりひとりが…その…【想い】を受け止め…
ひとりひとりが…繋がり…伝えあう…

…人と人が【全て】を越えて…

ともに､喜びも悲しみも…共有し､寄り添い､生きていきていく…と言うこと｡

その…尊さ…
その…難しさ…
その…大切さ…
その…切なさ…

その…【全て】を乗り越えて…
その…【全て】を受け止めて…

その想いの…【全て】を伝える為に…

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そして…【今】…わたくしも、遠く離れておりましても、愛する想い人の背を…
眼を瞑り…思い描きながら…
【今】…この瞬間､手を触れる事…叶わなくとも…
この【想い】が、柔らかな羽根となって…彼の背を包み、
その背に…そっと、口づけを送り、守ることが出来たら…
と…願い、思うので御座います。

………【想い】を止めない…………
………止める事…止むことのない…【想い】…。
………【想いを伝えること。】………
その…ささやかな【想い】こそが…【全て】へと…繋がってゆくのでしょうから…。

…今、同じ…【場所】に、いることが、叶わなくとも…
…心は…常に、寄り添い、魂を重ね…
…お守りしたいのだと…そう、感じ…思うので御座います…。

………【想い】を伝える為に………。




M-♂…｡

………生まれて来てくれて………

……………ありがとう……………