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【275】 § 白い言波(ことば)を纏う時…《下》 §

2010/04/01 05:59
【人魚-白い波間の想い-】

『…………ん?』

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(21)】S)


わたくしは、ふっと…自分の脚を見ました…
鈍い痛みを感じたからです…。

わたくしは、オーダーしたドレスが何着か仕上がり、M‐♂にお届けする為に…セルフ・ポートレイトを撮らせて頂いているところでした…。

わたくしの居ります…ホワイエの応接ソファーは好みで少し硬めの調整をして御座いました。
腕の部分は特にしっかりと詰め物をして御座いますから…
お写真を撮りながら、少しずつ動いておりましたけれど…

きっと…
M-♂の事を考えて夢中になっていたのでしょう…
鈍い痛みを感じた時は…
どこに、ぶつけたのさえ、記憶になかったので御座います。

わたくしは…

こっとん…

と…手にしたカメラを、ガラスが嵌めこまれた冷たいテーブルの上に、そっと…置いたので御座いました。
テーブルの甲板を囲む部分はマホガニーの木材で出来ており、支柱の部分はライオンの様な4本の脚を持つ作りになっておりました…。
その重厚なテーブルの上にワインレッドのカメラを横に静かに置きました。
デシカメは、わたくしの帰りを待つように、そこに居ました…。
わたくしにとって、カメラは、M‐♂に自分の想いを伝える大切なお道具でもあります。
それは、自分自身をポートレートすることも、そうですし…
また、自分の感じた何かしらの対象物を撮ることにより、自分の感性を彼に伝え、届けることもできるのです。
機種もM‐♂にアドバイスを頂き、選ばせて頂いて購入いたしましたから、思い入れも、ひとしおで御座います。
透明なガラス板とボルドーの赤いワインの様なカメラ本体の色合いが…美しく感じられて、暫く…M‐♂を想いながら…
魅入ってしまいました…。

ずっきん…

しかし、鈍い痛みが、わたくしが何の為に、その大切なモノを手から離したのかを思い出させてくれました。

そして…わたくしは…その、痛む脚を見ようと、白いマーメードドレスの裾をたくしあげました。
身体のラインに、ぴったりとフィットした生地が、するするとした柔らかで、すべらかな感触を、わたくしに感じさせてくれ、その、感触が、痛む箇所まで、引き上げられたことを教えてくれたので御座います。

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(19)】S)

案の定、うっすらと肌が白から若干…暖色に染まり始めていたのです。
その変化した肌の具合から、位置的に多分…硬く作ったソファーの肘掛けに当てたのだと推測出来ました。

すっ…

と…自然とその箇所に指を当てますと…
心なしか他の箇所よりも温かく、熱を持っているように感じられ…そうして…触れ続けておりますと、じんわりとした、痺れとともに…痛みがその指に伝わってまいりました。
『ああ……。』
と…何に訴えるでもない…
わたくしの震える声が、たった、ひとりだけのホワイエに響きいていました。

わたくしは、そっと…眼を閉じました…

呻きでもない…
呟きでもない…
そんな声を洩らしていたので御座います。
除除に熱さを吸収していく指先に、わたくしは…
じんわりとした汗が湿ってゆくのを感じておりました

と…同時に不思議と脚の感覚が無くなってゆくのです…。
まるで、波が引いていくように…
わたくしの脚の感覚が無くなって…ゆくので御座いますの…。

わたくしは…
ゆっくりと…椅子の肘掛けに身を預けてゆきました。
そう…まるで…抱くように…
ゆっくりと…肘掛けに頬を寄せ抱き締めていました。
眼を…閉じて…。

わたくしは…自分の身体の一部が…無くなっていく…感覚を、必死で追いかけていました…。

脚が完全に麻痺していました…。
白いドレスの裾がまるで波間に打ち寄せる波の花のように、わたくしの眼には映っていました。
白い…マーメードドレス(膝下付近から裾を広げ、人魚の尾ひれ状にした型)…のせいでしょうか…。
わたくしは…

ハンス・クリスチャン・アンデルセン原作の童話…

URL 「人魚姫」

のお話しを思い出していました…。
もし、わたくしが…
M‐♂の為に…人魚の御姫様のように…大切な方の為に命を掛けることを望まれるのであれば…
今のわたくしには…何も躊躇することはないのです。

…海の底の永遠の囚われびとになることを望むでしょう…。

心に…その高い波のハードルはなく…
ただ…彼を想いながら静かに白い泡の咲く揺れる波間に消えてゆくでしょう…。

M‐♂とは婚外ですし…
お側からは遠い距離に身を置いております。
お互いにフリーランスなハードな、お仕事も持っています。
常に…互いの肌を寄せあえるわけでは御座いません。

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(18)】S)


それでも…

しかし、わたくしの中では、それは何の障害でもなく…むしろ…
【何者にも侵されない気持ち】
に溢れているのであります…。
それに、わたくしは…
その≪想い≫を誇りに思っているのです…。
だから…M‐♂の為に命を捧げることを問われたとしたら…
たぶん、最後…その質問の語尾を聞かなくても…
その答えを即答していると思います。

そして…
わたくしは…この命を彼を為に捧げる…と言う、自分の【気持ち】に異論を投げかけることはありません。
常にそう言う心持ちでおります…。
すでに…わたくしにとって、M‐♂の存在は次元の違うところに在るのです。
何ものにも、縛られない…囚われることのない…
わたくしだけの≪想い≫なのでございます。

わたくしは…感覚の無くなった脚をもう一度見ました…。

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(16)】S)


そう…もし、わたくしが人魚の娘であったならば…
喜んで…想う方の為に…波間に消えてゆくでしょう…。

これは、死と言う結果までの道筋の原因を説いている訳ではありません。
その行為をする…。しない…。の是非を問うているわけでもないのです…。

そういう心で、ひとを愛せるか…?

そういう魂で、御相手を見定めることが出来るのか?

と…言うことなのです…。
その、パートナーの為に…自分の役割を見出すことを自分から出来るのか?
与えられることを、ただ…≪意思≫を持たずにするのでは…その≪意志≫を貫くことさえできないでしょう。

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(14)】S)

それは…
サディストでも…
マゾヒストの位置関係でも同じことではないのでしょうか?
お互いのスタンスの位置を把握しているのか?
独りよがりの自分だけの解釈をしていないのか?

きちんと、御相手が自分の視野に…範疇に…存在しているのか?
お相手に求めるだけのではなかったか…?
お相手に期待するのみではなかったか…?
自分のエゴイズムを押しつけることだけに終始していないか…?
自分の考えのみを正当化しようとだけしてやしないか…?

もし…そうであったとする、気持ちや行動があったとすれば、それは…
お互いが…どんな立ち位置であったとしても、御相手をないがしろにすることにもなりはしないのか?
それが如何に自分本位であるのか?
それさえも気がつかないまま傲慢さのみが肥大化し、御相手の肉体も気持ちも、ただ無駄に侵食てゆくことになりはしないのか…?

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(15)】S)


サディストは…マゾヒストの心に、自分に対して心から繋ぎ留めることの出来るクランプ(蝶番)を持っているのか…?
また、マゾヒストは…サディストに自分の心の鍵に合う錠前を作りだしてもらえるだけの器(あるいは資質)を持つことが出来ているのか…?

何の意思を持たないまま御相手と対峙しても…通じ、伝えくる想いは御相手には存在しないものと、みなされてしまうでしょう。
もし、サディストが≪Mの存在≫を、意のままに出来る…と言う…甘い考えを持っていれば、御相手のMが本当のマゾヒストであれば、その強さに翻弄されることでしょう…。
また、マゾヒストが≪Sの存在≫に依存をしているだけであれば、サディストの本来持つ、素晴らしい創造性を殺してしまうことになるのです…。


≪互いの存在≫の確認…。


≪どちら≫も、なにかしらの覚悟を持ち合わせ対峙しているのか?

ゆえに…SMと言うのは…只…単に…

≪性の癖≫

だけの問題ではない…と言うことが言えないでしょうか…。

≪童話≫は、児童が読む、または親などの大人が幼年児童に読み聞かせる子ども向けの民話、伝説、神話、寓話、創作された物語でありますが…その多くは、言わずと…≪大人≫の書いたものです。
自分の今までの経験値が、おのずと織り込まれる…
また、考え方が反映される場合があります…。
アンデルセンの生きた時代…彼の見た多くの貧困層の社会的背景を憂い、人々の嘆きが切実だった、社会生活を繊細な感慨を持って、その、どうしようもない社会への憤りを童話の中で【死】と言うものに投影させたこともあるでしょう。また、多くの国民や世界中の人たちに愛されながらも、容姿や繊細な心ゆえに、恋には縁の遠かったところからも、彼自身の愛や恋への切ない程の純粋な心情を読み解くことが出来ます。

人に、感動を与え…心を揺さぶることが出来ると言う偉業を成し遂げた影にあるものが、彼自身の孤独や、心の葛藤だということである…ということは、事実であります
しかし、それは、彼の気持ちの、見事な昇華である…と言うことも…また、真実なのです…。

人魚姫は…
自分で…自分を変え、選択をし…そして…泡となり…波間に消えていったのです。
この…激しい心の内が…お解りになるでしょうか…。
その…熱い心の焔(ほのお)を、自分の手で…自分の命と引き換えに…守ったのです。

その≪心の灯火≫は…
人魚姫の姿が、波間に消え…儚い泡となり…天に召されても消えることはないのです…。
≪カタチ≫は成さぬとも…人魚姫の…
≪想い≫は…不変性を持って語り継がれるのですから…。

それが…
ひとを…愛する…と言うことなのです…。

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(20)】S)


そう…想い…考え…巡らしながら…
ゆっくりと眼を開けました…
わたくしの白い泡に消えていた脚の感覚が、ゆっくりと戻ってきたようでした。

そう…そして…
感覚の戻ってきた脚を擦りながら…
M‐♂のことを…考えていました…。

m-♀whitedress(2010.03.31【言波(17)】S)


わたくしは…
白い波間に漂う…美しい貝殻を手に取るように…
大切な言の葉を…また、心に纏(まと)ったようにも感じたので御座いました。

…the end…。

§∽∽∽∮◆∮∽∽∽∮◆∮∽∽∽∮◆∮∽∽∽∮◆∮∽∽∽∮◆∮∽∽∽∮◆∮∽∽∽§

≪連載記事:前記事参照≫
URL 白い言波(ことば)を纏う時…《中》【片乳-恥辱の時間(とき)へ-】


≪連載記事:前々記事参照≫
URL 白い言波(ことば)を纏う時…《上》【言波-ことば-】

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COMMENT

 [RE:2569]⇒藍香 様 

[ No:2571 ]  m-♀ さん m-♀

藍香様

こんにちはでございます>^_^<

わざわざ、こちらまでお越し頂き、御来訪とコメントを頂いて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいで御座います。
御返事が遅くなりまして申し訳御座いませんでした。
御許し下さいませ。

また、御ブログ様にコメントをさせて頂きました際は、温かなご返信を頂戴いたしまして、ありがとう御座います。
とても、素敵な御ブログ様…。楽しみに拝見させて頂いております。

お褒めの御言葉をありがとうございます。
とっても、嬉しゅうございます。
文章も、ちょっと独特ですし、御写真も、今は感じるままにシャッターを押しているもので…お恥ずかしい限りなのですが…
それでも、藍香様と同じで、日々、パートナーを想う気持ちを大切に、この空間に綴らせて頂いています。
御相手を【想う気持ち】って…カタチには見えるものではないですけれど…
それを自分なりのものに変化させて、【御伝えする】…という努力や姿勢を示すことはできますものね。
藍香様の主様を想う、お気持ち…とっても、良く解りますよv-238

>コメントするのが恐れ多い位でしたので、今回コメント頂いて凄くうれしかったです。

ええっ!
恐れ多いなんて…(笑)
もう…わたくしなんて、ほやー…としていて、抜けていることの方が多いのですよ(笑)
パートナーに御迷惑をお掛けしっぱなしですけれど…そんな、わたくしをM‐♂は、広い御心でお見守り下さっております。

それに、まったり、ゆったりさんですし…(笑)
面白いこと…楽しいこと大好きさんなんです。
御茶目なんですよ~(自分で言っている(笑))

こちらこそ、是非、仲良くして頂けたら嬉しゅうございます。
今後とも、どうか、宜しくお願い申し上げます>^_^<

最後になりまして、恐縮で御座いますが、主様にも、感謝申し上げます…と、どうぞ宜しくお伝え下さいませ。




 ありがとうございました 

[ No:2569 ]  藍香 さん 藍香

この度はコメントありがとうございました。
私の方こそいつも読み逃げしていました。
いつ見ても素敵なブログ・・・文章も写真も素敵だなぁと思っていました。
コメントするのが恐れ多い位でしたので、今回コメント頂いて凄くうれしかったです。

これからもヨロシクお願いします!!




 [RE:2551]⇒雅樹 様 

[ No:2566 ]  m-♀ さん m-♀

雅樹様

おはようございます。
わざわざ御来訪、ありがとうございます。
春…本番になってまいりましたが、肌寒い日も多く、なかなか、覚めやらぬところでございますが、御身体専一で、お健やかにされておられましたでしょうか?

コメントをありがとうございます。

>ありがとうございます…。

との御言葉に大変に恐縮いたしております。
こちらの方こそ、御礼を申し上げなければなりません。
感謝いたしております。

やはり、パートナーで…あります…M‐♂と接していて思うことで御座いますが…
決して…彼に対して性的な意味合いだけで、自分の全てが磁石の様に吸いつけられている訳ではないのですよね。
彼の人柄や、行動や考え方…そういうものが集約され、総轄されて…自分の感性の中に流れ込んでくるのです。
そういった事にも…「感じる」訳なのです…。
性の癖だけではないモノを、しっかりと感じ取り、汲み取り…自分の中に沁み込ませることによって…彼に意識が同化していくように感じます。

それが昇華して…性愛に確実に繋がっていく…。

SとMは引きあい…そして、激しくぶつかり合うものでも御座います。
雅樹様の仰られる…また、御認識のように、Mの強さは…ある意味、すさまじいパワーがあるように思います。
それに、匹敵するパワーを持って御しえなければならない訳です。
乱暴な言葉や、腕力を使って御すものでは…ない…と言うことではないとう事ですよね。
Sとして…滲み出るオーラ…と言うものがあるのではないでしょうか…?

まさに、雅樹様の御指摘の通りだと思います。

只今、御ブログ様は充電期間中でおられるのも、雅樹様のご配慮だと僭越ですが推察させて頂いております。
また、ゆっくりと、充電を終えられて…素晴らしい御ブログ様から、わたくしどもも学ばせて頂きたいと思っております。

これから…気候も気温も安定してまいりましょう…。
新年度に入り、御仕事も御忙しい時期かとは存じますが、どうか、御身体御自愛されて頂きたいと願っております。

コメントを頂戴し、本当に嬉しゅうございました。

今後とも、ご指導、御鞭撻下さいますように…M‐♂ともども、宜しくお願い申し上げます。




 ありがとうございます。 

[ No:2551 ]  雅樹 さん 雅樹

雅樹です。深い・・・ですね。

>サディストは…マゾヒストの心に、自分に対して心から繋ぎ留めることの
>出来るクランプ(蝶番)を持っているのか…?
>何の意思を持たないまま御相手と対峙しても…通じ、伝えくる想いは
(中略)
>甘い考えを持っていれば、御相手のMが本当のマゾヒストであれば、
>その強さに翻弄されることでしょう…。

見事な洞察です。そう、M女性は決して弱弱しいわけではないのですよね。
虐げられる、責められる、支配される・・・そうした逆境において、自らの
精神の開放と快楽を享受できる。ある意味とても「しなやか」で「したたか」
なのだと思います。
上から浴びせるだけの言葉や、道具や行為という形を整えてみても、
一瞬の刺激にはなりますが、最後には、M女性の持つ強さに翻弄され
ます。

>互いの存在の確認…。
>どちらも、なにかしらの覚悟を持ち合わせ対峙しているのか?
>ゆえに…SMと言うのは…只…単に…性の癖
>だけの問題ではない…と言うことが言えないでしょうか…

ありがとうございます。僕に向けての言葉ではないはずなのに、
こう言いたくなりました。
頂いたコメントで触れられていた「僕からの言葉」のエントリーは
小さいながらも、「覚悟」して書いたものでした。
だからこそ・・m-♀さんのこのエントリーは・・とても染みています。

また・・・参ります。

雅樹




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