まだ…朝は肌寒く…庭に立った、わたしは…
薄紫の浴衣の上に…薄手の黒いカーディガンを羽織っておりました…。
しかし…腰から下は…火が付いた様に燻(くすぶ)り始めたのです…。
わたしは…熱くなった下半身の疼(うず)きを押さえようと…
両方の内腿(うちもも)を浴衣の下で擦(す)り合わせて…おりました…。
しかし…熱くなっているのは…
擦り合わせた部分ではなく…バギナの中…
m‐♀の…身体の奥底…
滴(したた)った…雨の滴の様に…バギナの中を…熱い流れで潤し始めていました…。
わたしは…薔薇の花弁を…震える手で…なぞりました…。
ビロードの様な…表面を毛で立たせた様な…柔らかな手触り…。

わたしは…一瞬…眼を瞑(つむ)りました…。

まるで…自慰をしているように…
…優しく…撫で…親指と人差し指で、外側の一枚の花弁を挟(はさ)み…
擦り上げたのです…
指に伝わる…絹のような…ベルベットのような…
触り心地に…わたしは…欲情していました…。

わたしの…【想い】を吸い上げて…咲いた…一輪の花…。

…その…花弁を擦った…人差し指の背を…
…………口元に運びました…………

そして､わたしは…自分の口唇に当て…軽く噛んだのです…。

ぴりっ…

とした…刺激が脳に伝わっていきました…。
更に…吸うように…噛み上げていきました…。
刺激がさらに…増していきます…。

こりっ…

人差し指の細い骨と､私の歯が､せめぎ合うように
わたしの口の中で【音】を立てていました…｡

かり…っ…こりっ…

その【刺激】に誘われるように…
わたしは…噛んでいた人差し指を…口の奥深くに差し入れました…。
口腔内で…舌を人差し指を愛おしく…舐め廻しておりました…。
指は唾液で…滑(ぬめ)り…
時折､口の中かから見え隠れする【それ】は…濡れ光っておりました…｡
その時の、わたしの【指】は…
まるで…【その】愛撫で…

…【指】が､大きく…太く…なっていく様な心持ちでした…｡

そう…それは、わたしの【心の中】で､M-♂の【男根】と変化していたのです…。

朝の明るい光の中で…尚(なお)の事…鮮明に【その】…唾液の濡れ具合が判ります…｡

…す…ぅうぅぅぅ…

と…下半身…身体の内部から､下方に向かい流れ出るものがありました…｡
……それは……

…とろりっ…

と…身に付けた､ショーツの中で…ゆるい粘(ねば)りを持って…溜(た)まっていきました…｡

わたしは…
急激に襲った､激しい疼(うず)きに
居(い)た堪(たま)れなくなり…

黒い薔薇の前から…身体を移動いたしたのです…。
そうも…しないと…その場に崩れおちそうでした…｡

わたしは､足早に…玄関の扉を開け、身体を滑(すべ)りこませました。

……わたしは…欲情しておりました……


ぴちゃ…っ…

と…眼を瞑(つむ)った、わたしの耳に…何度か…指をしゃぶっている時に発する音が届き…
それは…わたしの妄想を更(さら)に…かきたてて言ったのです…。

…ちゅ……ぅ…ぅぅぅ…

わたしの血が…ふつふつと…騒いでおりました…。
思わず…強く､指を吸ってしまうのです…｡

先程の…頭に描いた…妄想…。
【あの】…頭に描いた…一筋の粘液の流れは…

本当は…
M-♂の…指…
M-♂の…舌先…

『…あ…あぁ…』

わたしの肩から…軽く薄いカーディガンが…玄関の黒御影(くろみかげ)の石の上に落ちていきました…。

と…同時に…
身体が玄関の扉を背中に預ける様に付けて…
ずるずるっ…と､崩(くず)れるように…座り込みました｡
お尻を付いた形となり…
脚(あし)が自然にMの字に開脚されておりました。
お尻が石の冷たさに刺激され、感覚が高まっていきました。
浴衣の中に…ひんやりとした…朝の空気が入り込み…
わたしを…ことさらに刺激するのです…。

すぅ…

と…無意識のうちに…
左手が…浴衣の合せ目から、胸元に、するりっ…と入り込んでおりました。
ふたつの乳房は熱を帯び…
まるで、違う生き物のように…
わたしの手の中で揺れ動いておりました…。
乳首が…
ぴんっ…と…
立ち上がっておりましたので…
親指と人差し指…
二本の指先で撫で上げ、転がすように…弄(いじ)り…弾(はじ)いておりました…。
胸元から…淫蕩(いんとう)な熱い空気が、わたしの顔を撫で…
『淫(みだ)らだ…』
と…囁(ささや)く様に…わたしの周りの空気が揺れておりました…。

『…んっ…』

わたしは…眼を閉じ…立ち上がる事も忘れて…
熱く疼(うず)く乳房を揉(も)みしだいていたのです…

もう…片方の手…右手が…震えるように…
浴衣の裾(すそ)を割り…M字に立てた膝(ひざ)を…
太腿を撫で上げておりました…。

そして…薄紫色のショーツを指でなぞってゆきました…。
絹の手触りが…汗を吸い…また、違った滑(なめ)らかさと温かさを､醸(かも)し出しておりました。
丁度…プッシーの割れ目の部分…
アナルの当たりから…ゆっくりと上に向かい…
撫で上げていったのです…。

『…は………あぁ…』

家の中には…わたし…ひとりで御座いましたけれど…
密(ひそ)やかな秘め事を…行こなう…わたしの心理は声を極力抑えたものにさせておりました。
その…抑制(よくせい)が、わたしの身体を…ことさらに熱く淫蕩(いんとう)な気持ちにさせるです。
髪の毛が…汗を吸い…額に、首筋に…張り付いておりました…。
わたしの肌の上で、黒い幾筋(いくすじ)かの線が…
欲情した動きに合わせて…

ぞろり…っ…

と…動き、肌の上で位置を変えながら、生き物の様に蠢(うごめ)きながら、更に、浮き出した汗の滴(しずく)を吸い取っていきました。
一度…張り付いたものは…離れないと言うかの様に、髪が湿った首に巻き付いていました。

『…あ…あぁ…』

わたしは…堪(たま)らなくなり…その､居(い)た堪(たたま)れなさで…
頭(かぶり)を大きく振っていました…。
すると…額(ひたい)から頬(ほお)に…浮かび上がり､伝わった汗で…
絡み付くように…髪が…頬(ほお)を這(は)っていき…
その髪が…口の中に入ったのです…。

ざらりっ…

とした、髪の感触が…わたしの口の中で広がりました…｡

わたしは…噛み締めていました…。
強く…
噛み切ってしまうほど…強く…。

…わたしの…頭の中に､更なる､【想像】をさせる為に…
…わたしの心の中に…更なる…【妄想】を掻(か)き立てる様に…｡

…強く…
…強く…

…噛み締めていました…｡

Ｔｏ　be　continued…