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【156】 § ガザ-終わらないモノ- 《中》 §

2009/01/24 23:59
【報道写真‐news photo‐】

わたくしは…
ひとりの少女の写真から眼が離せなくなったので御座いました。

その【写真】は、ガザで空爆をうけ…そのショックで口がきけなくなったと言う少女を、搬送されたカイロの病院(エジプト)で写したものでした。
縮れた黒髪に、眼鼻立ちの整った、幼くあどけない少女でした。
首まで、すっぽりと毛布に包まれた彼女の眼は…
じっと…
カメラのファインダーを見ているようでした。
わたくしは、その新聞の写真を見た時…
まるで…自分が、カメラをかまえ…その少女をファインダーを通して見ているような錯覚に陥りました。
既にこの時、イスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの空爆は、1月2日に、戦闘開始から7日目を迎え、死者は420人に上っておりました。
前日1日には、イスラム過激派ハマスの対イスラエル強硬派で、退避を拒んだ、上級幹部宅を空爆し、本人、妻、子供、約20名を空爆で殺害したのです。この時点でも、イスラエルの外相は、フランス政府の48時間停戦を拒み、地上戦突入は時間の問題だと思われました。 

ガザ(ハマス幹部ラヤン氏宅)(2009.01.24【ガザ】S)
【2009年1月1日、ガザ地区北部でイスラエル軍の空爆を受けたハマス幹部ラヤン氏宅の消火作業に当たる消防士ら(共同)】

その少女は9歳だと…新聞に記載されておりました。
12月27日に、持病のある彼女は、ガザ地区の病院に入院をしていたのですが、その病院の側のモスクを空爆したために、爆風で病院のガラスを吹きとばす、その、ただ中にいたのです。
その空爆のショックで口が聞けなくなり…焦点のない眼で、宙を見詰め…
向けられたカメラに無意識に顔を向けていたのでした。
病院にいてさえも、戦火に巻き込まれる…。
イスラエルにより、境界の封印をされているガザ住民には【逃げ場】がないのであります。人間としての尊厳などないに等しいのです。
写真を撮られた少女はカイロの病院に移送されていますが、怪我人や病人などでさえなかなか、エジプト側に行くことが出来ないと言う現状がありました。
イスラエルに接していない唯一の境界が、エジプトとのラファ検問所であります。
エジプトのムバラク大統領は、各国アラブ諸国は検問所の全面開放を求めていますが、パレスチナ自治政府のアッバス議長がガザを掌握しないことには、全面開放しないとしています。各国の思惑が入り乱れた中では、なかなか、足並みも揃う事はないので御座いましょう。
また、攻撃の為に怪我をしたとして、エジプト側に搬送したくても、検問所で長時間待たされることとなるのです。
体力的に無理と判断されれば、国境さえ越えて行く【権利】さえ失うのであります。
例え越えられたとしても、エジプト側の病院は、既に満床で、返されてしまうのです。救急車は再度、空爆の激しいガザ地区の病院に転送されるのです。
しかし…機材や医薬品が不足し、病人で一杯になったガザの病院では、何も出来ずに帰されるだけなのであります。そして、その救急車自体が空爆の標的となっていると言う事実があるのです。

何千年と前からの因縁である【土地】…イスラエル…。

その昔、3,500年程前はパレスチナ地方は【カナーン】と言ったのでありますが…
ユーフラテス河流域…上流の方にいた遊牧民族のヘブライ人がカナーンの土地にやって来て先住民族と混じって定住したのです。
その時、自分たちのことをイスラエル人と呼んでいたのです。
しかし、この地方は、いつもいつも、ローマやペルシア、アッシリアなど等々の数多くの、周りの国や勢力に翻弄され、支配と占領が繰り返されていたのです。
ついに…2,000年程前に国がなくなり、イスラエルの人々は世界中に散り散りになってしまったのです。

では…何故、【イスラエル】と言う国があるのか…

優秀な能力のある彼らには、強い信仰を持っていた…。
イスラエルの民である。と言うことを2,000年の間【忘れなかった】と…言うことであります。
2,000年…の間…片時も、忘れることはなかったのです。
それは…彼等が、【ユダヤ教】と言う信仰を持つ、ユダヤ人であるということです。
異教の地で、生き抜く為に、長い年月を暮らしていても、信仰を守り、努力をした優秀な民族であったのです。御存じのように、特に金融面では、その才能を発揮いたしました。
しかし、住み付いた土地でも、先住している人々には、その優秀さや、努力さえ疎ましく…それが妬まれて、迫害をされたのです。
例えば、信仰するユダヤ教を捨てて、異教徒の地で同化していければ、楽だったのかもしれません。
しかし、実際、優秀な能力を持った彼等の【選民思想(註釈1)】が、それを妨げたのかもしれません。

彼らは、19世紀に入り、ホロコースト(註釈2)などを経て、【シオニズム(註釈3)】運動と言う…

…いつしか、【国が欲しい。】と思いうに囚われるのです。

シオンの丘へ…。
神に約束された地へ…。

≪約束の地≫カナーンへ還(かえ)りたいと…。

To be continued…

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(註釈1)選民思想=自分の民族だけが神に選ばれ、人々を導く使命をもつとする思想。ユダヤ民族が古来から考えていた。)

(註釈2)ホロコースト=第二次世界大戦中にヒトラー率いるナチス政権下のドイツおよび、その占領地域においてユダヤ人などに対して組織的かつ意図的に行われたとされる大量殺戮を指す。

(註釈3)シオニズム=「シオン」(エルサレム市街の丘の名前)の地に帰るという意味

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